八重山の森に潜む忍者。
複雑な色彩とマーブル模様にうっとり
日本では八重山諸島に分布する蝶。僕は、リュウキュウチクなどの竹が生える、薄暗い森で出会うことが多かった。
警戒心が強いうえ、暗い場所を素早く飛ぶため、観察も撮影も難しい。
近くでじっくりと、その妖艶な翅を目に焼き付けられたときは、ものすごく興奮した。

フラッシュを使って撮影するとこの写真のように、怪しい光沢が表れた。
2021年11月7日 石垣島

小雨の中、林縁の草むらにとまった。
2019年12月9日 石垣島

複雑な模様と色彩に息を呑んだ。
2021年10月9日 石垣島

翅と体のバランスが♂と違うように見える。
2023年5月1日 石垣島

生息環境を入れるために、
ドキドキしながら触れるくらいの距離で撮影!
2021年11月7日 石垣島

2021年11月7日 石垣島

黒い丸い模様が小さく、斑紋には個体差がある。
2021年11月9日 石垣島

目の前にある水滴を吸っていた。
2021年11月7日 石垣島
僕の「日本の蝶・お気に入りランキング」では、トップ5に入るほど大好きな蝶だ。
初めて石垣島を訪れ、その姿を目にしたときから、すっかり魅力の虜になった。
22歳の頃、大学を休学し、5か月ほど石垣島で車中泊をしながら暮らしていた。
何度かシロオビヒカゲに出会い、撮影することができた。
来る日も来る日も暗い森を歩く。ほんのたまに姿を現すこの蝶を見失わず、近づいて撮影できたときの嬉しさは、言葉にならない。
会える日は1日に何度も会えるのに、会えない日は探し回っても見つからない。僕の中では、少し神出鬼没なイメージがある。
夕方に竹林を訪れると、2〜3メートルほどの高さを飛び回り、同じ範囲に戻ってはとまる姿も見られた。縄張りを張っているようにも見えた。
ジャノメチョウの仲間らしい斑紋がある一方で、眼状紋は、はっきりとした目玉の形をしていない。作りかけのような、あるいは使い古されたような、不思議な円形をしている。
薄紫色と白色の模様も重なり合い、ほかの蝶にはない独特の色彩をつくり出しており、焦茶色の部分にも濃淡があり惹き込まれる。
光沢のある、艶やかな姿に出会えることは本当に少なかった。
出会う個体の多くは色褪せていて、翅の光沢もほとんどない。
そんな中で、数えるほどだけ、縁毛まで生えそろった傷ひとつない個体に会えた。
そのときの高揚感は、たまらない。
翅の表を撮影したい。もう一度、あの艶やかな姿に会いたい。
改めて、本当に大好きな蝶だ。
