生涯2000kmも旅をする「渡りをする蝶」
蝶図鑑
和名:アサギマダラ
学名:Parantica sita
生息地:日本全国、東アジア全域
(日本・中国・台湾・朝鮮半島・東南アジア北部)
特徴:日本で唯一の渡りをする蝶。
羽の白い部分を見ると、
うっすら浅葱色に見えることから
日本の伝統色「浅葱色」
にちなんで名付けられた。
春から初夏にかけては南西諸島や九州
などの暖かい地域から北へ進む。
夏には標高の高い場所や北の方へ移動し、
涼しい場所を求める。
秋になると再び南下して、
市街地や南の地へ移動を始める。
食草:ガガイモ科の仲間
(キジョラン、オオカモメヅル、イケマなど)
成虫になると、ヒヨドリバナや
フジバカマなどの花を好んで訪れる。

オスの下の羽には”性標”があり、雌雄を見分けられる。
2020年8月11日 長野県

羽にマーキングされた子も見かける。
2021年9月29日 長野県

背景にジャングルとヒカゲヘゴを入れて沖縄感溢れるお気に入りの一枚。
2022年2月15日 石垣島

2021年9月29日 愛知県

2021年7月29日 長野県
日本の蝶の中でも、
圧倒的な人気と知名度を誇るアサギマダラ。
幼虫時代には、毒を持つ植物を食べて
体内に毒を蓄積し、毒を持つ蝶になる
マダラチョウの仲間。
半透明の浅葱色と暗い朱色と黒の羽は
とても風情と美しさを感じる。
なんといっても「旅をする蝶」として
昔から注目されている。
各地でマーキング調査がされいて、
たくさんの人が観察や研究をしている。
日本で生まれたアサギマダラは、
台湾まで旅することもある。
その華奢な見た目とは裏腹に、
長旅をするたくましさも兼ね備えている。
アサギマダラの飛び方を観察していると気づく
とてもゆったりとふわふわ風に乗るように飛ぶ。
その飛び方は、最小限のエネルギーで
効率よく旅するように工夫されているのだと感じる。
そして、毒を持っているのでゆっくり飛んでいても
天敵の鳥にも食べられないし、
その飛び方で天敵にアピールしているとも言われている。
僕の地元でも秋になるとアサギマダラはやってきて、
小さい頃から馴染みのある蝶だった。
そして、二十歳になって蝶撮影を始めると
その美しさや魅力い、小さい頃以上に惹かれていった。
毎年のようにアサギマダラの撮影に出かけて
朝から夕方まで、ひたすら美しい姿の撮影に打ち込んだ。
薄ピンク色のフジバカマとのコラボも素敵だし
地元で見られるヒヨドリバナの組み合わせも外せない。
石垣島に行った時には、アセビとの撮影も叶ってしまい衝撃だった。
2025年に訪れた灼熱のタイの山奥でも
アサギマダラを見かけて、どこでも生きていけるのだと感動した。
今年も秋が近づいてくる。
きっと今年もアサギマダラの撮影に没頭してしまうだろう。















