神の名『シヴァ』を持つ蝶
その存在感は異質で圧倒的だった。

この佇まいが素敵すぎる。
2025年3月 タイ・チェンマイ
蝶図鑑
和名:テンジクゴマダラ
学名:Neurosigma siva
生息地:インド、中国、タイ、ミャンマー、ベトナムなど。
暗い森林の中で発見した。
特徴:イナズマチョウのような飛び方で、
食事の方法も似ていた。
分類でもイナズマチョウに近い仲間らしい。
個人的にはオオイナズマの♀に
姿や仕草がそっくりだと感じた。

森の奥の暗い場所で、餌を探すような仕草をして
周囲を飛び回り、止まってを繰り返していた。
2025年3月 タイ・チェンマイ

ストローを葉に伸ばして、何かを吸っている。


これを何度か繰り返して消えていった。

青光りしていて神々しさを感じる。
模様も見れば見るほど惹きつけられる。
— 神々しさを宿した、異形のタテハ —
タイ北部、山奥の滝。
旅の後半戦、夕暮れ時。
無数の蝶が舞う楽園のような場所で、
最後の最後に姿を現した。
白と黒の模様に見える翅は、
角度を変えると、深く青く光る漆黒へと変わる。
わずかに添えられたオレンジが特徴的。
色合いはシンプルだけど
その佇まいは只者ではない雰囲気。
英名は Panther(豹)。
その名の通り、ただ止まっているだけで
周囲の空気を支配するような存在感がある。
大きさは、日本の国蝶・オオムラサキとほぼ同等。
東南アジアの限られた地域にのみ生息し、
出会える機会は決して多くない。
和名の「天竺」は、
遥かな聖地・インドを意味する言葉。
実際、インド産の個体では
翅の白い部分が、付け根まで黄色く染まる型も知られている。
その姿は、ここタイで出会った個体とはまったく異なる印象を受ける。
同じ種でありながら、
土地によって“表情”が変わる。
自然の中には、
人の価値観を軽々と超えてくる存在が、確かにいる。
テンジクゴマダラは、
そのことを静かに、しかし強烈に教えてくれた蝶だった。

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