夢にまで見た光景
北の頂だけに住む幻のアゲハ

第42回「日本の自然」写真コンテストにて
森林文化協会賞を受賞した一枚。
朝一番で山を登り、
頂上で朝日を浴びて体を温める姿に遭遇した。
運よく近づけて、
大雪山の山々との撮影が叶った。
2023年7月9日 北海道 大雪山
蝶図鑑
- 和名:ウスバキチョウ(キイロウスバアゲハ)
- 学名:Parnassius eversmanni
- 生息地:北海道(大雪山系)
夏でも雪が残るような
北海道の限られた高山地帯にのみ生息。 - 特徴:国指定の天然記念物
6月〜8月に発生。
卵から成虫になるまで3年もかかる。
1年目(卵)→2年目(蛹)→3年目(成虫) - 食草:高山植物の女王「コマクサ」

交尾シーンにめぐりあえてしまった…
あの感動と衝撃は一生忘れない。
上がオス、下がメス。
2021年6月23日 北海道 大雪山

メスが地面を這いながら、
産卵場所を探している光景。
2023年7月2日

探した末、見つけることができた。
2023年7月5日

この半透明の羽と模様が、カッコ良すぎる!
2023年7月9日

メスは赤色が大きくて
羽は少し黒っぽい。
2021年6月23日

近い仲間のウスバシロチョウはゆったりなのに。
高山地帯の強風の中を生き延びるためだろうか?

お腹をよく見てみると、受滞嚢がついている。
これは、交尾の後にオスがつけて、
2度と交尾できないようにするためのもの。

絶景の中、憧れの蝶を追う夢のようなひととき。

小さい頃からずっと
図鑑で見て憧れていた蝶。
原始的なアゲハチョウで
氷河時代の生き残りとも言われている。
生息地は夏でも雪が残る
北海道の高山地帯のみ。
成虫になるまでにまるまる三年。
(大半の蝶は数ヶ月から一年くらい)
もう、何もかもが伝説級の蝶だと思う。
自分の中では、
日本の蝶のラスボス的な存在なイメージだった。
大学を一年休学した時に、北海道へ行き
この蝶との感動的な出会いを果たした。
なんと、交尾シーンを初めて会った日に
拝めて撮影までできてしまったのだ。
その2年後には、二週間の間
北海道の山奥で車中泊をして
何度も大雪山に登って、この蝶の撮影を試みた。
最後の最後に、
写真コンテストで上位入賞をいただいた
僕の写真の中でも、いちばんの自信作が撮れた。
幼少期の憧れの蝶の写真で
光栄な賞をいただけたことは本当に嬉しかった。
そして、ウスバキチョウへの想いがさらに高まった。
また、美しいいろんな姿を撮影しに
あの雪の斜面を登って、天空の楽園へ行きたい。
あの夢をもう一度。





